センセ〜イ、もうわかりません!
また混乱してるね。どうしたの?
なんちゃらバイオティクスとか色々ありますよね。あれよく聞くのによく分からず混乱しています
確かにプロバイオティクスやプレバイオティクスなど一文字違いだしよく分からないよね。では今日はこの辺りを整理してみましょう
オネガイシマスティクス〜
(・・・)
プロバイオティクスとは?
プロバイオティクス(Probiotics)は、抗生物質(Antibiotics)の対義語として作られた造語です。共生を意味する、Probiosisが語源と言われています。Proは「共に」、biosisは「生きる」という意味があります。
ざっくりと言うと、生物に対抗する(殺す)という意味での抗生物質に対し、生物と共に(生物を生かす)という意味でのプロバイオティクスといった感じでしょうか。
このプロバイオティクスですが、オリジナルはFuller博士による定義ですが、現在では用途や機能が拡大したため、FAO/WHOが再定義し、それが使われています。
Fuller博士による定義
「腸内菌叢(腸内に住んでいるさまざまな菌の集団)のバランスを改善することにより生体に有益な作用を及ぼす経口摂取可能な生きた微生物」
国連食糧農業機関(FAO)/世界保健機構(WHO)による再定義
「適正量(十分な量)を摂取することにより宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物」
上記の2つの定義がありますが、大事なのは「生きた」微生物であるということです。基本的には食べたあと、胃酸や胆汁酸などで死んでしまう菌はプロバイオティクスとは呼びません。ヨーグルトを例に出すと、ヨーグルトを作るときに使われるブルガリア菌やサーモフィルス菌は胃酸・胆汁酸耐性がないのでプロバイオティクスではありません。パッケージ等にプロバイオティクスと書かれているものは、機能面を強化するために別途添加された菌です。
但し,乳酸菌は死んでいても効果があるものも沢山存在しています(後述のバイオジェニクスを参照)。
例)一部の乳酸菌やビフィズス菌など
色々あるプロバイオティクスの商品
乳酸菌
ビフィズス菌
有胞子性乳酸菌
枯草菌
プレバイオティクスとは?
プレバイオティクスとは、「消化管上部(口腔・胃・小腸)では分解・吸収されず、大腸でビフィズス菌などを選択的に増やす物質」を指します。オリゴ糖や多糖類が該当します。プロバイオティクスが微生物であるに対し、プレバイオティクスは物質です。この辺りを混同している人も多いです。
何故ビフィズス菌だけ増えるの?
多くの腸内細菌はオリゴ糖や多糖類を利用できません(食べることができません)が,ビフィズス菌は糖を切り出す多くの酵素を有しているため,独占的にこれらのオリゴ糖・多糖類を栄養素として利用することができます。プレバイオティクスを摂取すると大腸のビフィズス菌の数が増えるのはそのためです。
プレバイオティクスの効果
ビフィズス菌増殖促進作用、整腸作用、ミネラル吸収促進作用、炎症性腸疾患への予防・改善作用など
代表的なプレバイオティクス
・オリゴ糖
・食物繊維の一部(ポリデキストロース、イヌリン等)
この2つが主流なプレバイオティクスですが、最近ではプロシアニジン等のポリフェノール類も酪酸産生菌などの有用菌を増やすプレバイオティクス効果があることが分かってきています。
例)オリゴ糖、食物繊維、ポリフェノール類
色々あるプレバイオティクスの商品
オリゴ糖
食物繊維
ポリフェノール類
シンバイオティクスとは?
シンバイオティクス=プロバイオティクス+プレバイオティクス
シンバイオティクスとは,プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取こと,またはその混合物を指します。
これにより相乗効果が得られ,単体で摂取するより効果的に有用微生物を増やすことが出来るようになります。
プロバイオティクス利用は外から有用微生物を取り入れるという発想ですが,プレバイオティクス利用は元々腸内に棲んでいるビフィズス菌等の有用微生物を増やすという発想になります。どちらが優れているということはありませんが,シンバイオティクスはその両方を同時に行うものであり,より高い効果が期待できます。
例)ビフィズス菌とオリゴ糖
色々あるシンバイオティクスの商品
オリゴ糖+ビフィズス菌
イムノバイオティクスとは?
Immune=免疫 + プロバイオティクス
イムノバイオティクスとは,プロバイオティクスの中で免疫応答を示す菌を指し,例えば花粉症軽減効果や免疫賦活化能を持つ乳酸菌やビフィズス菌が当てはまります。
例)免疫調節作用を有した乳酸菌やビフィズス菌など
色々あるイムノバイオティクスの商品
その他
バイオジェニクス
腸内細菌研究の世界的な大家である光岡知足博士が「直接あるいは腸内フローラを介して、免疫賦活、コレステロール低下作用、血圧降下作用、整腸作用、抗腫瘍効果、抗血栓・造血作用などの生体調節、生体防御、疾病予防・回復、老化制御等に働く食品成分」として提唱した言葉です。この適用範囲は広く、乳酸菌の死菌体、乳酸菌発酵エキス、ペプチド、ω-3脂肪酸(EPAやDHA)、ビタミン、フラボノイド、カテキン、アントシアニンなど幅広い機能性成分が該当します。
例)菌体成分、発酵産物、生理活性ペプチド、植物フラボノイド、ビタミン類、その他機能性成分など
イムノジェニクス
イムノバイオティクス中の免疫調節因子をイムノジェニクスと呼ぶことも提唱されています。
例)乳酸菌の細胞壁成分、菌体外多糖、オリゴDNAなど
自分に合ったものを見つけよう!
今回紹介した商品はあくまでも一例です。
人の腸内細菌叢は千差万別です。2〜3週間ぐらい続けてみて自分に合ったものを見つけましょう!
プロバイオティクスがいいのか、プレバイオティクスがいいのか、シンバイオティクスがいいのかなど、いろいろ試して見るときっと良いものが見つかると思います。目安はお通じが良いかだと個人的は思っています。
毎日快便を目指しましょう!
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