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やっぱり◯◯は最強だった!ー寿命と食事の関係を読み解くー

キノピー先生
大学准教授 兼 ベンチャーCEO
20年以上、乳酸菌の研究に従事。現役の大学教員。大学の研究成果を社会に還元するために大学発ベンチャー企業である株式会社プロバイオを設立。最高経営責任者(CEO)を務める(兼業)。

専門分野:乳酸菌や発酵食品の機能性
きんこちゃん

うーん

キノピー先生

どうしたのきんこちゃん、今日もはてなマークが沢山だね

きんこちゃん

キノピー先生、助けてください。豆乳ヨーグルト食べて、肌の調子も良くて良い感じなんですけど、他の食事は何を気にしたらいいか分からなくて

キノピー先生

肌の調子がいいならいいんじゃないの?

きんこちゃん

いや将来のこと考えると少しでもって・・・

キノピー先生

そういうことね。じゃー、今日は論文を引用しながら健康に良い食べ物について話してみましょうか

きんこちゃん

わー、嬉しい!そういうの待ってました!よろしくお願いします!

ペディオちゃん

(ぼくは?出るの?出してくれるの?)

目次

論文を紐解く

今日は2022年にPLOS MEDICINEという科学雑誌に掲載された「Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study」という論文を紐解いていこうと思います。タイトルを訳すと「食の選択が平均寿命に与える影響の推定:モデリング研究」でしょうか。オープンアクセスジャーナルといって、誰でも無料で全文を読むことができます(英語です)。

Lars T. Fadnes, Jan-Magnus Økland, Øystein A. Haaland, Kjell, Arne Johansson. Estimating impact of food choices on life expectancy: A modeling study. PLOS Medicine 19(3): e1003962.

https://journals.plos.org/plosmedicine/article?id=10.1371/journal.pmed.1003889

どういう研究なのか

この研究はノルウェーの研究者が行ったもので、「典型的な西洋食 (Typical Western diet, TW)」から、「最適な食事 (Optimized diet, OD)」または「実行可能なアプローチ食 (Feasibility approach diet, FA)」へ食事を持続的に変えたとき、性別・年齢ごとの 平均寿命(life expectancy, LE) がどれだけ延びうるかを、モデルを使って推定しています。果物、野菜、全粒穀物、精製穀物、ナッツ、豆類、魚、卵、乳製品、赤肉、加工肉、砂糖入り飲料などの食品群の摂取量の変化と死亡率との関係を示す複数の研究データ(複数のメタアナリシス研究データ)と、年齢・性別・国・地域ごとの死亡率を示した疫学データを用いて研究を行っています。

メタアナリシス研究から最適な食(それ以上、あるいは以下の摂取になっても影響がほとんどなくなる量を元に「最適な摂取量」を定義)と実行可能なアプローチ食(最適な食事はストイックすぎるため実際に実践できそうな食。西洋食と最適な食の中間)を定義し、それらが寿命へ及ぼしうる影響について推察している論文です。

実際にどのくらいの摂取量として定義しているのかは論文のMethodsの「・」ところ(pp.4-5)にリストアップされています(こちら)。また、この論文ではアメリカ、中国、ヨーロッパに焦点を当てて研究していますが、中国とヨーロッパのデータはサプリメントデータ(補助的なデータ)として記載されています(サプリメントデータは一番下に、S1-3 Text, S1-3 Table, S1-17 Figureが記載されています。概ね同様の結果が得られています)。

あくまでも推定ということは注意が必要です。

やっぱり大豆は最強?

積極的に摂りたい食品と過剰摂取を気をつけたい食品

複数のメタアナリシス論文の解析では、特に豆類(legumes)、全粒穀物(whole grains)、ナッツ類(nuts)の健康効果が高く、逆に赤身肉(red meat)と加工肉(processed meats)の過剰な摂取が健康リスクを上げることが示されています。その上で、最適な食、実行可能なアプローチ食を実践した際にどのくらい寿命が延びるうるかを推定しています。当たり前ですが、最適な食事が最も効果が高かったですが、実行可能なアプローチ食でも十分な効果が得られています。

若いときから食を意識することが大切

データは若い時(20代)から食を変えることが最も効果が高い(寿命を延ばしうる)ことを示しました。なんと20歳から最適な食事に変更すると、男性で、13年、女性で最大10.7年寿命を延ばせる可能性があるという結果(シミュレーション)でした。これは60歳から食事の改善を始めた人と比較して約48%大きく、80歳からの改善と比べると3倍の増加となったと著者らは述べています。食の重要さを知る私にとってもこういうシミュレーション結果を見ると、驚かされます(あくまでシミュレーションだとしても)。

若者は免疫力も高く、代謝も高いので食事を気にしてない人も多いと思ますが(私もそうでした)、人は必ず年を取り、免疫力も落ち、代謝も落ちて体型も維持しづらくなってきます(今の私です)。もし、いつまでも若く、健康でいたいなら若い時から食事に気をつけることが重要だということをこの論文は示しています。

年取ってから始めても効果あり

では年を取ってからでは意味がないのか?

安心してください。この論文では、「そうではないこと」を示しています。もちろん、若い頃から改善する方がベストですが、諦める必要はありません。なんと80歳から始めても男女ともに3.4年寿命が延長できる可能性があるそうです。

身体は毎日の食事でできています。そして、細胞は刻一刻と入れ替わっています。年齢は関係なく食の改善によりある一定の延命効果が得られるというこの論文のシミュレーションは十分納得がいくものです。もちろん、食以外の要因もあり、個人差もありますので、万人に当てはまるものではありませんが(そもそも万人に当てはまるものなど存在しないと思います)、日々の食生活の大切さを改めて感じさせてくれるデータと言えるでしょう。

豆乳ヨーグルトと合わせると最強では?

さて、この結果を受けて私が考えた普段の食事に簡単に取り入れることができる食を提案します。またかと思うかもしれませんが、豆乳ヨーグルトを使ったレシピです。

まず、豆類の摂取が非常に重要であることが示されました。若者ほど豆類を摂っていないという現実もあります。そこで、大豆の登場です。この論文を見ても、納豆や豆乳ヨーグルトは健康に良さそうだと分かります。

次に全粒穀物です。全粒穀物とは、穀物の胚芽、胚乳、外皮のすべてを含む、精白されていない穀物のことで、玄米や全粒粉、オート麦(オートミール)などが代表的な例です。海外では全粒穀物入りのパンなども結構たくさん売っています(日本でももっと増えてほしい)。玄米を継続摂取するのは少しハードルが高いかもしれませんが、5分づきなど食べやすいものでいいと思いますし、お米にもち麦や押し麦などをちょっと配合するだけでもいいと思います(この方法は食べやすいので非常に有効です)。豆乳ヨーグルトに入れるならオートミールが良いのではないかと思います。これにより豆乳に不足している不溶性食物繊維を摂ることができます。

そして、ナッツ類です。これは塩なしの素焼きのものが良いと思います。おやつで食べるとか、砕いて豆乳ヨーグルトに入れても美味しいです。

つまり・・・

例えば朝食にオートミールと砕いたナッツ入りの豆乳ヨーグルトを食べるのはいかがでしょうか?腹持ちが非常に良くなりますし、最強の食材である豆類、全粒穀物、ナッツ類、そして乳酸菌を同時に取ることができます。

また、そこに果物を入れることを推奨します。厚生労働省が推奨している果物摂取量は一日200gです。統計データでは日本人はこの半分しか食べてないそうです。今回は触れませんでしたが、フルーツも健康に寄与しうることが示されています。このデータでの果物摂取量は、西洋食で200gであり、最適な食で400g、実行可能なアプローチ食で300gになっています。つまり日本人は西洋人と比べてフルーツ摂取が圧倒的に少ないと考えれますので、フルーツ摂取による効果はより大きくなる可能性もあります(日本人のフルーツ摂取量が低い理由は、フルーツの価格が高いのも影響しているかもしれません)。フルーツは糖類を多く含みますが、ポリフェノール、ビタミン、ミネラルを豊富に含む健康食です。特にブルーベリーやリンゴなど皮ごと食べるフルーツはオススメです(農薬なども気になるかもしれませんが、よく洗って皮ごと食べましょう。きっと残留農薬のデメリットを上回る効果があると思います)。以上のことから、日本人は豆乳ヨーグルトにちょっとフルーツを入れると良いのではないかと思います。味も美味しくなります。

オートミール、ナッツ、果物入りの豆乳ヨーグルトは手軽に美味しく摂取できる健康食品だと思います。スムージーもオススメです。

結論

もちろん個人差はあると思いますが、まとめると下記のとおりです。少し説明していない項目も補っています。

積極的に摂りたい食:豆類、全粒穀物、ナッツ類、フルーツ、魚

過剰摂取は避けたい食:赤身肉、加工肉、砂糖入り飲料

過剰な「ねばならない」はストレスになります。摂取してはいけないものはないと思います。ただ少しだけ意識して自然に摂り入れていくのが良いのかなと思います。

キノピー先生

名前:キノピー先生(大学の准教授) 専門分野:乳酸菌や発酵食品の機能性 20年以上、乳酸菌の研究に従事。現役の大学教員。大学の研究成果を社会に還元するために大学発ベンチャー企業である合同会社プロバイオを設立。最高経営責任者(CEO)を務める(兼業)。

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